【動画撮影の基礎知識】YouTubeを始める前に最低限理解しておくべきこと
こんにちは、宇野です。
この動画では、YouTubeを始める前に最低限理解しておくべき動画撮影の基礎知識についてお伝えします。
基礎知識を理解した上で動画を撮影する場合と理解せずに撮影した場合では品質に大きな差が出ますので、最後までご覧ください。
【動画撮影の基礎知識】
YouTubeを始める前に最低限理解しておくべきこと
(YouTube)
1:フレームレート
動画について勉強されている方は、きっと「フレームレート」と言う言葉を何度も聞いているかと思います。
しかし、動画撮影のワークショップをやっていると、意外と理解できていない方が多くいます。
そこで、まずは動画の基本であり最も重要な「フレームレート」についてできるだけシンプルにわかりやすくお話ししていきます。
フレームとフレームレートとは?
最初にフレームレートとは何なのか?ということからです。
動画は、パラパラ漫画のように静止画像を高速で切り替えて動きを表現しています。
この静止画像のことを「フレーム」と言います。
そして、1秒間に何枚の「フレーム」を使って動きを表現しているのか…というのが「フレームレート」と言います。
1秒間に24枚の「フレーム」を使って動きを表現していれば「24フレームレート」1秒間に30枚の「フレーム」を使って動きを表現していれば「30フレームレート」1秒間に60枚の「フレーム」を使って動きを表現していれば「60フレームレート」となります。
この「フレームレート」は「frames per second」の頭文字を取って「fps」と表記します。
どのフレームレートで撮影するべきなのか?
では次に、どのフレームレートで動画を撮影すれば良いのか…ということについてお話しします。
単純なことですが、1秒間に「フレーム」の数が多ければ多いほど滑らかな映像になります。
少しわかりにくいかもしれませんが、24fpsで撮影した動画と120psで撮影した動画を比べると、24fpsで撮影した動画は、手を振っていると残像感が出ます。120fpsで撮影した動画は、24fpsよりも滑らかなのがわかると思います。
つまり、残像感を出したい場合は低いfpsで撮り、滑らかに撮りたい時は高いfpsで撮るということです。
例えば、映画は基本的に24fpsで撮られています。シネマティックな映像にしたい場合は24fpsで撮ると残像感が出る映像になりシネマティックな雰囲気が出ます。
また、普段見ているテレビ番組は、30fpsで撮られています。映画よりも滑らかで、普段から見慣れている映像なので「見やすい」映像だと言えます。
ちなみに、この動画は24fpsで撮っています。
注意点
次に注意点をお伝えします。
「スローモーションを使うカットは高いフレームレートにする」ということです。
例えば…通常、24fpsは1秒間に24枚の「フレーム」で動きを表現しています。
1秒の動画をスローにして2秒にする場合、最低でも48フレーム必要になります。
24fpsのまま撮影してしまうと24フレーム足りないので、無理矢理引き伸ばすことになり、その結果、カクカクした映像になってしまいます。
ですので、スローを使うカットは、あらかじめfpsを上げて撮影するようにします。
24fpsで撮影した映像をスローにしたモノは、無理やり引き伸ばしているのでカクついているのがわかると思います。
一方、120fpsで撮影した映像をスローにしたモノは、スムーズなスローになっているのがわかると思います。
2:シャッタースピード
良い映像を撮ろうと思ったら、フレームレートに合わせた「シャッタースピード」に変更する必要があります。
動画の「シャッタースピード」についてできるだけシンプルにわかりやすく解説していきます。
シャッタースピードとは?
まずは、シャッタースピードとは何なのか?ということからです。
シャッタースピードの設定とは、シャッターをどのくらいの時間、開けておくかという設定になります。
シャッタースピードを早い秒数に設定すると、シャッターを開く時間が短くなります。ですので、光を取り込む量も少なくなります。
逆に、シャッタースピードを遅い秒数に設定すると、シャッターが空いている時間が長くなるので、その分、光を取り込む量が多くなります。
つまり、シャッタースピードは、光が入ってくる量を決める設定です。
フレームレートとシャッタースピードの関係性
次にフレームレートとシャッタースピードの関係性についてです。
まず、フレームレートの数値に対してシャッタースピードの分母が下回らないようにしなくてはいけません。
例えば、30fpsに対して30分の1以下のシャッタースピードにしてはいけないということです。
30fpsで15分の1のシャッタースピードにしてしまうと、2フレーム全く同じ映像になってしまうことになりますので、カクカクした気持ち悪い映像になってしまいます。ですので、最低でもフレームレートの数値と同じ数値がシャッタースピードの分母になっていなければなりません。
これは、絶対に守るようにしましょう。
最適なシャッタースピードとは?
フレームレートの数値に最適なシャッタースピードについて解説します。
基本的に、フレームレートの倍の数値に近い値をシャッタースピードの分母になるように設定します。
24fpsの場合は50分の1に設定し、30fpsの場合は60分の1にします。
この動画は24fpsで撮影しているので50分の1のシャッタースピードに設定しています。
これが最適なシャッタースピードの設定になります。
ちなみに、シャッタースピードの上限はありません。
しかし、シャッタースピードを上げすぎると違和感のある映像になってしまいます。
24fpsに対して適正の50分の1秒のシャッタースピードで撮影した映像と、24fpsに対して2000分の1秒のシャッタースピードで撮影した映像を比較すると、適正なシャッタースピードで撮影した動画は、残像感が出て自然に見えるのに対し、2000分の1秒のシャッタースピードで撮影した動画は、一切残像感がなく不自然すぎるほど滑らかで違和感を感じると思います。
普段、目で見る状況からかけ離れすぎ映像だと違和感になってしまいますので、シャッタースピードを上げすぎるのも注意しましょう。
東日本と西日本の違い
適切なシャッタースピードは東日本と西日本で違いがあります。
蛍光灯の光で撮影したり、夜間にネオンがある場所で撮影すると、チカチカすることがあります。
これがフリッカーと言われる現象でシャッタースピードと関係しています。
東日本は50ヘルツの周波数で西日本は60ヘルツの周波数ですので、それに合わせてシャッタースピードを設定する必要があります。
東日本の場合は、50分の1秒、もしくは100分の1秒にすればフリッカーは防げます。
西日本は、60分の1秒、もしくは120分の1秒にすればフリッカーが防げます。
蛍光灯の光で撮影したり、ネオンがある場所で撮影していてフリッカーが入ってしまう場合はシャッタースピードを変更すれば入らなくなります。
3:絞り(f値)
被写体の背景や手前にボケを作って被写体が強調される立体感がある動画を撮りたい!という方も多いと思います。
その「ボケ」を作る為に大きく関わるのが「絞り」です。
絞りの値をF値と言い、このf値を調整してボケを作ります。
「F値」についてできるだけシンプルにわかりやすく解説していきます。
絞りとは?
カメラのレンズの内部には金属の板が複数あり、穴を大きくしたり小さくして光の量を調整します。
レンズを通る光の量を調整することを「絞り」と呼び、その光の量を「f1.4」「f1.8」「f2」といったように数値化したモノが「F値」です。
穴を広げると光がたくさん入り、穴を狭めると少しの光しか通しません。
少し混乱するかもしれませんが、「F値が小さいほど絞りの穴が広い」ことになります。
例えば、「F2」と「F10」を比べると…「F2」の方が穴が広いので、光を取り込む量が多いため明るい映像になり「F10」は穴が狭いので光を取り込む量が少ないので暗い映像になります。
ちなみに、レンズの絞りを最大に開いた状態を「開放絞り」と言い、この状態のF値を「開放F値」と言います。
ぼけを作る
F値はカメラに入る光の量を調整すると同時に「ぼけ」を作る効果があります。
実際にF値を変えるとどのような変化があるのかを見てみましょう。
フルHDの24fps、シャッタースピードは50分の1秒、ISO感度は100でF値だけを変更して撮影します。
F1.4で撮影した映像は、背景がしっかりボケているのが分かると思います。
ここから徐々にF値を上げていきます。
F値を上げれば上げるほどボケがなくなっているのが分かると思います。
つまり、F値が高いと映像がハッキリし、F値低いとぼけ感が出やすいということになります。
ただし、ぼけを作るにはカメラと被写体、背景の距離感によって変わってきますので注意しましょう。
基本的に、カメラと被写体の距離を近づけ、被写体と背景の距離を遠ざけ、フォーカスをしっかり被写体に合わせてF値を解放すれば、強い背景ぼけを作ることができます。
4:ISO感度
次にISO感度です。
「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」この3つが動画の露出を決める要素です。
できるだけシンプルにわかりやすく「ISO感度」についてお話ししていきます。
ISO感度とは?
まずISO感度とは何なのか?ということです。
ISO感度とは、カメラが光を捉える能力の値です。
少し難しい話になるのですが、カメラは光を電子信号に変えて処理をします。
ISO感度を上げるということは、電子信号を増幅させることで、ISO感度を2倍にすると電子信号は2倍になりますので、光の量が半分で適正露出になるということです。
つまり、ISO感度を2倍にすると、2倍のシャッタースピードで撮影できるということですので、暗い場所で手ブレしたり、被写体がブレたりする時は、ISO感度を上げることによって、手ブレや被写体ブレを防ぐことができます。
暗い室内や街灯がない屋外でもISO感度を上げると映像を明るくすることができます。ですので、カメラの液晶を見て暗いとISO感度を上げたくなってしまいがちですが、暗いからと言って単純にISO感度を上げれば良いというモノではありません。
ISO感度を上げて撮影すると、映像がザラついてしまうことがあります。
ISO感度を上げるということは、電子信号を増幅させることなので、ノイズも増幅してしまいます。ですので、基本的には暗いからといってISO感度を上げるのではなく、照明を使って撮影することをオススメします。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?
この動画では、YouTubeを始める前に最低限理解しておくべき動画撮影の基礎知識として「フレームレート」「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」についてお伝えしました。
基礎知識を理解した上で動画を撮影するだけで、これまでよりも高品質な動画を撮ることができるようになりますので、何度も動画を観て復習していただけたら幸いです。
今後も動画編集や動画撮影など動画制作に関する情報をシェアしていきますので、高評価やチャンネル登録よろしくお願いします。
また、質問や疑問、こんなことを動画にして欲しいということがあれば、コメント欄にお書きください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは、またお会いしましょう。
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